通算194セーブは球団記録
西武ライオンズの増田達至投手(36)が、今シーズン限りで現役を引退することが16日に明らかになった。近く正式発表される見込みだ。
増田は2012年のドラフト1位で西武に入団。1年目からリリーフとして活躍し、2015年には最優秀中継ぎ、2020年には最多セーブのタイトルを獲得。さらに2018年、2019年のリーグ優勝に大きく貢献した。守護神やセットアッパーとしてタフな役割を果たし続けたが、今季は12試合に登板し、0勝2敗、防御率4.09で現役を退く決断を下した。
チームを支えた12年間
増田はプロ1年目の2013年から12年間にわたり、西武の中継ぎ陣を支え続けてきた。通算559試合に登板し、31勝40敗、109ホールド、194セーブを記録。特に2018年と2019年のリーグ優勝においては、重要な存在だった。しかし、今シーズンは12試合のみの登板となり、6月15日以降は1軍での出場がなかった。
自らの引き際を決断
周囲から「まだやれる」との声が上がっていたものの、増田は自らの信念に従って引退を決めた。プロ入りから11年連続で30試合以上に登板し、守護神やセットアッパーとして常にプレッシャーのかかる場面で投げ続けてきた。「そこで勝負できなくなれば、引退する時」と語っていた増田は、現役を続けることも可能な状況で潔くマウンドを去る決断をした。
球団史に残る守護神
増田の通算194セーブは西武の球団記録だ。2020年には5勝0敗、33セーブで自身初の最多セーブを獲得。この無敗での最多セーブは、1997年の佐々木主浩(横浜)、2009年の武田久(日本ハム)に続く史上3人目の快挙だった。国内FA権を取得した2020年オフには複数球団が関心を示したが、増田は西武に残留し、生涯西武でプロ野球人生を全うすることを選んだ。
社会貢献と人間性
増田はその温厚な性格で周囲から愛される存在だった。社会貢献活動にも積極的で、2018年からはNICU(新生児集中治療室)への支援を続けており、シーズンの登板数に応じて新生児用のカートや寄付金を医療機関に贈っていた。巨人の内海投手コーチが西武を退団して巨人に復帰した際には、オレンジ色のネクタイを贈り感激させたエピソードもある。
西武を愛し、また愛された増田は、引退後も次なるステージで新たな勝負に挑む覚悟を持っている。