フジテレビ系列で放送された漫才の賞レース番組『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』で、カメラによる「劇場感覚」の再現が話題となっている。ベテラン芸人たちが6分以上のネタを披露し、審査員は100人の観客などで構成されるこの番組で、カメラはほぼ全編で芸人たちのパフォーマンスに密着した。このカメラワークから得られる「劇場感覚」について考察していく。また、番組の出場者たちが、テレビだからといった制約なしで、自身らしさを表現したネタを披露したことも注目されている。
「劇場感覚」「ライブ感覚」をテレビ番組で再現を試みた
『THE SECOND』では、カメラワークが今までのお笑い賞レース番組と異なり、主に芸人たちのパフォーマンスに密着した構成をとっていたことが特徴です。これは芸人集中型のカメラワークで、劇場へ足を運ぶお笑いファンがネタ中に芸人のパフォーマンスに集中する様子を再現しようとしたものです。また、カメラワークだけでなく、各出場者のネタにおいても、テレビ番組ではカットされがちな暴力的なツッコミや下ネタが披露されたことも特徴的でした。これらの特徴を利用して、「劇場感覚」「ライブ感覚」をテレビ番組で再現を試みたのが、『THE SECOND』であったと言えます。
『THE SECOND』の初代王者は #ギャロップ に決定🏆
— フジテレビュー!! (@fujitvview) May 20, 2023
大会終了直後に会見が行われました✨
2人は「まったく実感がわかない」としつつ
大会を振り返り、喜びと反省🤭#THESECOND #ザセカンド#林健 #毛利大亮@thesecond_cx https://t.co/TqHhC1Gftx
ネタ時間が6分という贅沢な時間を使ったネタが魅力
『THE SECOND』では、芸歴16年目以上のベテラン芸人たちがネタ時間6分以内に自分たちの最高傑作を披露することができました。また、番組のカメラワークは、視聴者がまるで劇場でライブを見ているかのような「劇場感覚」を再現するように作られていました。芸人たちの出番中は、芸人たちのパフォーマンスに密着し、周りの情報を映し出すことはありませんでした。これによって、視聴者は芸人たちの漫才に集中することができ、6分という贅沢な時間を使ったネタを思う存分楽しめたのです。
各組のネタから、テレビ番組では避けられるワードも披露された
『THE SECOND』では、カメラワークが「劇場感覚」を再現しており、視聴者は芸人たちの演技に集中してネタを楽しめるようになっていました。また、出場者たちはテレビ番組ではなく劇場を主戦場としているため、テレビ番組のコンプライアンスにはないようなワードや話題を扱ったネタも披露されていました。これらのネタは劇場でのライブでは珍しくなく、テレビ番組ではカットされることが多いため、『THE SECOND』に出場した芸人たちは、自らが持つネタをそのまま披露したのだと考えられます。カメラワークも「劇場感覚」を重視しており、各組のネタを大切にする姿勢が伝わっていました。
出場者たちは、あくまで「劇場の芸人」としてベテランの姿勢で臨んだ
「THE SECOND」は、劇場のライブ感覚をテレビ番組として再現することを試みた賞レース番組であり、同番組のカメラワークはその再現を実現する重要な役割を果たしました。そのカメラワークは、ネタ中、ほぼ全編で芸人たちのパフォーマンスに密着していたため、視聴者は脇目も振らず、完全に芸人たちのネタに集中できました。出場者たちは、それと同様に、テレビ番組であっても、劇場で観客を楽しませるための技術を発揮しました。つまり、彼らは、あくまで「劇場の芸人」として、ベテランの姿勢で臨んだわけです。それは、テレビだからこそ、どこで活動しているのか、そこでどんなネタを見せて笑わせているのか、それを伝えるためのカメラワークであり、各組のネタだったように感じました。
この大会が続けばいいなぁとただそう思いました。
— ふみた・囲碁将棋 (@ff190mm) May 20, 2023
悔しいより楽しいが勝ってます。最高です。一生今日でいいと思いました。
ありがとうございます!!#おれたちの囲碁将棋
ベテラン芸人たちが日頃どんなネタを披露しているのかを視聴者に伝えるためのカメラワークでもあった
『THE SECOND』のカメラワークは、ベテラン芸人たちが日頃披露しているネタに注目し、それを視聴者に伝えるためのものでもあったといえます。カメラはネタ中、ほぼ全編で芸人たちのパフォーマンスに密着する構図で、松本人志や司会者の東野幸治ら、そして観客の反応を映すときも、絶対に画面の軸にネタ中の芸人を配置するなど、ネタに集中した構成となっていました。これにより、ベテラン芸人たちが普段どんなネタを披露しているのか、そのネタの面白さや個性をより直接的に伝えることができたのです。
カメラワークからも、ベテラン芸人たちへのリスペクトやネタ尊重が伝わってきた。
『THE SECOND』でのカメラワークは、出場したベテラン芸人たちの演技に集中し、ほぼ全編で芸人たちのパフォーマンスに密着していました。審査員や司会者の反応などを映し出したり、情報を画面に映し出すことはほとんどなく、基本的には芸人たちの姿を画面から外すことはありませんでした。このカメラワークからは、出場した芸人たちへのリスペクトやネタ尊重が伝わってきました。『THE SECOND』は、ベテラン芸人たちが日頃舞台で披露しているネタをテレビ番組で披露できる場を提供することを目的としており、カメラワークもその目的に合わせて芸人たちの演技にフォーカスする構成になっていたため、ベテラン芸人たちのネタやパフォーマンスをリスペクトしていることが伝わってきました。